<多摩下水道工事>公取委の「談合認定」取り消し 東京高裁(毎日新聞)

 東京都多摩地域の下水道工事で談合したと認定され、公正取引委員会から独占禁止法違反(不当な取引制限)で課徴金納付命令を受けたゼネコン4社が不服として争った訴訟の判決で、東京高裁は19日、計約1億円の納付命令全額を取り消した。藤村啓裁判長は「業者間の自由な意思決定を拘束するほどの合意があったとは言えない」と談合認定を否定した。課徴金制度が導入された77年以降で、納付命令を全額取り消す判決は初めて。

 問題になったのは、八王子市など多摩地域の自治体が東京都新都市建設公社に委託して発注した下水道工事。公取委は01年、この4社を含む34社に課徴金納付命令を出し、うち30社の不服申し立てを08年に審決で退けた。今回の4社を含む25社が審決取り消しを求めて1審の東京高裁に提訴したが、21社は敗訴(一部が上告中)しており、司法判断が分かれた。

 今回の4社は大成建設、新井組、奥村組、飛島建設で、それぞれ5046万〜1348万円の納付命令を受けた。判決は、4社が落札した計7件の工事の指名競争入札について「業者間には、受注希望業者が複数いれば話し合えばいいという程度の共通認識しかなかった」と指摘。全業者が入札価格の合意形成をしたとは認められず、連絡を受けても自社積算額で入札した業者があるとして、競争は実質的に制限されていないと判断し公取委の審決を取り消した。

 同公社発注工事を巡っては、住民側がゼネコンを相手に、談合で不当につり上げられた金額を各自治体に返還するよう求めて提訴し、今回の原告が落札したうち6件の工事で談合を認定した司法判断が確定している。【伊藤一郎、苅田伸宏】

 公取委の話 予想外の判決。今後の対応は判決文をよく見て吟味した上で検討したい。

 大成建設の話 主張が理解されたものと認識している。

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